伊吹山と手袋と(長編)

1月3日

自宅リビングに並ぶザック・アイゼンと衣服です。
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いよいよ伊吹山へ挑戦となる日。
嫁さんは所要で不参加、3人での初登山。
大丈夫かな・・・・?

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不安であまり眠れないままに出発。
子供らを暖かい布団の中から引っ張り出して車へ積み込む。
長浜ICまで2時間弱の早朝ドライブだ。


伊吹山は言わずと知れた日本百名山の1つ
標高は1377mと、今までの山とは比較にならない高さだ。
スタート地点の標高が100mと低く、純粋に1200mを登りきらねばならない。
この日の天気予報は雪、おそらく眺望も望めないだろう。
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ネットから拝借した地図を見れば分かるように、4合目までの道のりが長い。
そして6合目から頂上までは、大人も苦しむ急な登りの連続。
子供達のモチベーションを維持させるのが難しそうだ。
まさに山登りシート達成の集大成となる難関。


山登りカードを作ったはいいが、「カードを切らない」というカードを持つ子供たち。
2年間かけてためた山登りシールは、あと6枚で念願の100枚突破。
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伊吹山で100枚突破したら、今ある景品を全て進呈&ぼんじゅーるのおまけつき。
これでようやく子供らも重い腰を上げた。 ^-^



ふもとの500円の駐車場に停める。
おっちゃんがイイ感じの人だ。

事前情報どおり、ふもとには一切雪はない。
ノーマルタイヤなのでこれが必須条件となる。

登山口までは5分程度登る。
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子供らのテンションは高い。
この山さえクリアすれば、やっと目標が達成できる。

しかし、ここでダイボンがふざけてコケて膝を強打。
テンションが下がる。 ^-^ ↓ 
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そんな状態で7時半にスタート。
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足場の悪い急な坂道が続く。
シリトリをしながら歩くも気は紛れず、子供たちが早速グチりだす。
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クマかぁ・・・・出て来たらどうしよう。


延々と続く坂道。
うっそうとした森の中、視界も開けず、楽しくない時間が過ぎていく。
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ようやく到着。
420m、四条畷の飯盛山ならもう頂上だ。

ここから旧スキー場を遡る。
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子供らのペースが異様に遅い。
風が強くて寒いのと、尾根道など一切ない登りの連続に飽きてきた模様。
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果てしない登りが続き、ようやく2合目。
ここで予想していた発言が・・・

「これで2合目かぁ・・・・帰りたい」
「5合目まで行ったら帰ろう、寒い」
「ぜんぜん頂上が見えへんやん、帰ろう」

それらには取り合わず、歩を進める。
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うっすらと雪が積もってきた。
風が強さを増し、雪が横に降ってきた。
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相変わらず足場が悪い道が続く。
こうした岩場が続くと、精神的に疲れてくる。
しかもかなり寒くなってきた。
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雪にうんこの絵を書いたりしながら、楽しんで登る。
さくらは帰り道が分かるようにと、矢印を書きながら進む。
通りがかりの人に褒められて嬉しそうに笑った。

子供たちはまだ楽しそう。
雪で遊びながら一歩ずつ進む。

「雪を触ったらあかんぞ、手袋を濡らすなよ!」

という忠告を聞かず、何度も雪で遊んでしまう2人。
これが後でアダとなる。


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このあたりから完全に吹雪ジュンとなる。
景色はゼロ、視界も悪くなってきた。
こりゃ頂上は無理かなと思う。
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「行くぞ!」と地面に文字るさくら。
まだモチベーションは切れていない。
6合目の避難小屋まで頑張らせてみよう。
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雪が真横に降る。
時折強風で飛ばされそうになる。
子供らの愚痴も多くなってきた。

3合目。
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標高720mは既に立派な記録。
この環境下でここまで登れる子供たちは凄い。

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ここから先はまさに修行。
吹雪の中を進む。

「もう帰りたい、帰りたい」

ダイスケが何度もコケる。
ズボンが濡れる。
手袋がもうグショグショになってきた。

「手が痛い」

このあたりから手の痛みを訴えだす。
自分の手も痛い。

これだけの吹雪だと、普通の手袋では太刀打ちできない。
この辺は装備の甘さ、山への甘さが出た。

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4合目。
もう写真に写る心境じゃないとのこと。 ^-^
確かに。

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おっちゃんに温かい紅茶を貰う。
子供たちはまだまだ体力はある。しかし手が冷たくて辛い。

吹雪が勢いを増す。
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少しずつ進む、でも確実に進む。
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やはり5合目はすぐに到達した印象。
あきらかに感覚が短く、高さが変わってきた感じ。

子供らはもう手が限界の様子。
これ以上手を冷やすと危ない。

6合目の避難小屋まではそう遠くないはず。
そこで手を温めてみよう。
温かいスープも持参してるので、体力も回復できる。

もう日露戦争の行軍のようになってきた。 ^-^
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この猛吹雪の中でも3人話しながら進む。
ずいぶん強くなったと思う。

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岩に寄りかかりながら吹雪を耐える。
こりゃキツイな、今日は。

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「もう手の感覚がない」

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山小屋が見えた。
あと少し頑張れ!!

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6合目、標高980m
十分登ってきたよ、よく頑張った。
ここから先はその手が危ない。
重度の凍傷になれば、間違いなく指はなくなる。

晴れていればこの状態だった6合目から頂上への道は
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こんな感じで全く先が見えない。
避難小屋のドアが開かないくらいの暴風。

さぁ、帰ろう!
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しかし、この下りが辛かった。

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強烈な向かい風が延々と続く。
手が悲鳴をあげ、ついにダイスケが泣き出した。
めずらしく姉ちゃんも半べそ状態。

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我ながら可愛そうなことをしてるなと思う。
でもこんな体験はなかなかできることじゃない。

姉ちゃんが喋らなくなった。
無言の山下り。
普段なら頂上を制覇して意気揚々のはず。

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もう手が限界。
手袋を外し、ポケットに手を入れるという最終手段。
しかし岩場が滑るのでよく手をつく子供たち。
手をつくたびに半泣きになる。

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13時の時点で登っていく人とすれ違った。
背中にはスノーボードを背負っている。
凄い人もいるもんだ。

頑張ってくだろう。
もう少し、もう少し!!
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ようやく2合目のスキー場跡まで来た。
子供らもずいぶん元気になってきて、笑いが耐えない。
やっぱり気持ちって大切だなぁと思う。

今日のベストショット?
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苦行以外の何物でもないね、パパを恨んでください。 ^-^

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14回くらいコケながら下りてきたダイボンと、1回しかコケなかった姉ちゃん。
どっちにしてもポケットに手を入れた状態での登山は異様な感じがするな。 ^-^:

ようやくスタート地点へ
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寒さと手の痛みに耐えた7時間。
本当によく頑張りました。


あとはこの心配だけ。
「ノーマルタイヤで帰れるか????」
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ヤバイ
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ヤバイ
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ヤバーイ!

この駐車場では着替えと温かいお茶がサービス。
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オッちゃんにお願いして、温かいお湯に子供達の手をつけさせてもらいました。
凍傷にはならずに済んでよかった。
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ストーブがこれほど温かいものかと思う。
風が無いことが幸せに感じる。

ダイスケがトイレに行ったまま帰らないと思ったら
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ちゃっかりオッちゃんの部屋でコタツに入ってた。 ^-^
この辺はこの子の得意技。
人の懐に入るのがとても上手だ。
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姉ちゃんも入れてもらった。
こんなのはもちろんサービス外。
ほんまにありがたい。
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こら、はよ出てこーい、車が動かんようになる。 ^-^:

これだけしてもらって500円の駐車料金は申し訳ない。
ほんまにエエ人でした、ありがとうございました。


ここからは緊張の連続。
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坂道になったらもう終わり。
絶対にこのタイヤでは進めないはず。

長浜に向かわず、米原へ地道で向かう。
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これが功を奏した。
なんとか米原ICから高速へ。

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彦根を過ぎたあたりから晴れ間が見え出す。
どうやら伊吹山付近が一番天気が悪かったみたい。

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子供たちは既にDSでポケモンに夢中。
よく頑張って登ったと思う。


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こうして初挑戦の冬の伊吹山、いや吹雪山は6合目までで途中棄権で終了。
4合目くらいで帰ることも考えたけど、体力がまだまだある様子だったので上へ。
結果として、手袋の性能が運命を分けた山登りになった。
どれだけ体力が残っていても、手が凍傷寸前になればそこまで。
晴れた穏やかな天候であれば、子供らは頂上に到達できていたはず。


こうしてキーボードを打つ左手の小指の感覚がまだイマイチ戻らないのは、軽度の凍傷の証拠。
子供達の手を優先して良かったと思うパパなのであった。

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家に帰って食べた嫁さんのおでんが最高だったのは言うまでもなく。 ^-^


平成25年1月3日、忘れられない日となったなぁ。 ^-^
Commented by マリオ at 2013-01-06 20:29 x
あけましておめでとうございます。

いや~、これ、涙出たわ。
オヤジの非情さと子どもたちのけなげさと…見習うべきところと絶対やっちゃあかんところと…でも、間違いなく、たくましくなってくんやろなー。

今年もこのブログ、楽しみにしてます!
Commented by ds-kyo-saku-dai at 2013-01-07 12:43
マリオさん、今年も宜しくお願いします!
この年末年始で遭難が相次ぐ中、なかなかヘビーな山登りでしたね。

ちょっと可愛そうでしたが。(笑)

今年は激動の年になると思いますが、マリオさんも体に気を付けて頑張ってください!


by ds-kyo-saku-dai | 2013-01-03 23:30 | ◇子供と歩く | Comments(2)

金沢単身赴任中のリーマン日記


by ds-kyo-saku-dai
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